2013年5月25日土曜日

満開のエゴノキと初夏の昆虫たち

穏やかな日差しと木々を揺らす風が心地よい季節です。
登山や散策を終えてビジターセンターに寄って下さった方々は
「緑がとってもきれいでした!」と初夏の自然を満喫された様子でした。
初夏を迎えた生きものたちはどのように過ごしているのでしょうか。
満開になったエゴノキを見ると、下向きについた花が風でゆらゆらと踊っているようです。

写真を撮るために風が止むのを待っていると、上の方から「ブーン ブーン」という音が聞こえます。
花にやってきたハナバチたちの羽音でした。


エゴノキの葉の上にはシックな色合いのエゴシギゾウムシがいました。
エゴの実に産卵し、その姿が長いクチバシを持つ鳥のシギに似ていることからついた名だそうです。

続いてエノキの木を確認!
5月21日にブログにアップしたテングチョウのその後を見てみると・・・。
蛹になったばかりの時は緑色でしたが、そのうちの一つが茶色に変わっていました。
今後も見守り、タイミングが合えば羽化を見届けたいものです。

2013年5月22日水曜日

檜洞丸・ツツジ情報

檜洞丸の登山者が一番多くなるツツジの季節がやってきました。
今日も平日ながら30名以上の登山者の方に出会いました。
ゴヨウツツジとトウゴクミツバツツジの開花状況をお伝えします。

●ゴヨウツツジ(シロヤシオ)
・ツツジ新道 標高1400m~1450m :見頃
・1450m~石棚山稜との分岐点   :咲きはじめ
・分岐点~山頂             :ほとんどが蕾

●トウゴクミツバツツジ
・ツツジ新道 標高1200m付近       :咲きはじめ
・檜洞丸から犬越路方面に少し下った所 :蕾(花つきよい)



ゴヨウツツジ いずれも1400m付近
 

1400m付近では新緑も楽しめました


1200m付近で咲きはじめたトウゴクミツバツツジ

山頂から犬越路方面に少し下ると、蕾をたくさんつけたトウゴクミツバツツジがありました


花付きはゴヨウツツジ、トウゴクミツバツツジともに株によって差が大きいものの
中には多数の蕾をつけた株もあり、咲き進むのが楽しみです。
 
ツツジ情報は西丹沢自然教室のホームページでも発信しています。
こちらもご覧ください。
 

 

2013年5月21日火曜日

生きもの賑わう丹沢湖

今日は朝から暖かったのでドアを開放していたところ、
イカルやアオバト、クロツグミなどのさえずりが館内まで響き渡ってきました。
そのコーラスに時折モリアオガエルやシュレーゲルアオガエルの声も加わります。
鳴き声に誘われるように外に出てみると、
実にたくさんの生きものが活動しているのに出会えました。

そのほんの一部をご紹介します。

木の上を見上げてみると
エゴノキの花

この花が咲き始める頃、エゴノキの葉っぱを利用する生きものがいます。
 
エゴツルクビオトシブミ
葉っぱを巻いて卵を産んで、ゆりかごを製作中です。
 
エノキの枝には
テングチョウの幼虫
朝からじっとして動きません。
どうやらこれから蛹になるようです。
 
そして・・・
テングチョウの蛹
夕方、知らぬ間に蛹になっていました・・・。
変化していく様子を見たかった!!!
 
同じエノキの木に
ツユムシ類の幼虫
19日に数十匹が固まっているのを見つけましたが、雨が降った影響か2匹だけ残っていました。
みんな元気に旅立っておくれ!
 
地面をふと見ると

人の顔のような土の塊が・・・
毎年ジガバチが巣を作るのでそうかと思い確認してみると
 
アリの巣でした!
雨で地中の巣が壊れたのか?ひたすら土を運んで捨てていました。
アリの種類は・・・これから調べます!
 
皆さんも生きもの賑わう丹沢湖にぜひ遊びに来てくださいね!

丹沢湖ビジターセンターのカエル

丹沢湖ビジターセンターには冬から夏にかけて色々なカエルがやってきます。

 モリアオガエル
5月15日頃から「コロロ コロロ コッコッコッコッ♪」という鳴き声が聞こえるようになりました。
 
そして・・・
モリアオガエルの卵塊

今朝池の上のヤマボウシの枝に産みつけてあるのを発見!
前日の雨の間に産んだようです。
泡の中で卵からオタマジャクシになって池へと落ちて行きます。
時々、池から外れた所に産むマヌケさんもいます。
可愛くて憎めないヤツですが、モリアオガエルはもともと丹沢湖周辺にはいなかったカエル。
徐々に生息域を拡大しているのが気がかりです。
 
シュレーゲルアオガエル

4~6月頃にかけて池にやって来ます。
鳴き声は聞こえても姿は見えないことが多いのですが、
この子はなぜか一週間ほど前から見やすいところにいます。
モリアオガエルに似ていますが、一回り小さくモリアオガエルより肌が滑らかです。
 
ヤマアカガエル

普通は2月~4月頃の寒い時期に繁殖を終えると山に帰っていくのですが、居残っているようです。
 
ということで、
運がよければ丹沢湖ビジターセンターでは3種類のカエルに出会えるかもしれません♪

2013年5月16日木曜日

丹沢湖周辺自然情報

さわやかな風が心地よく感じる季節を迎えました。
風に揺られる植物に悪戦苦闘して写真を撮りつつ、丹沢湖畔を巡って情報収集してきました!

ホオノキ
直径20センチほどもある大きな花からは芳香が漂ってきます。
3日間の間にメスからオスへと変わる性質を持っています。
これから続々開花すると思うので、探してみてくださいね。
 
ジャケツイバラ
鋭いトゲを持つマメ科のツル性木本です。
毎年5月下旬に黄色くて見ごたえのある花を咲かせます。
 
 
丹沢湖畔では、ウツギと名のつく植物が次々に開花しています!
 
ニシキウツギ
白色からピンク色へと花の色が変化していきます。
 
ヤブウツギ
こちらは花の色は変化せず、最初から濃い紅色をしています。
 
マルバウツギ
「空木」や「卯の花」と言われるウツギの仲間で、
丹沢湖周辺ではヒメウツギの次に開花します。
 
コゴメウツギ
丹沢湖西側の世附地域の林縁に多数ありました。
 
ノイバラ
こちらも丹沢湖西側に多数ありました。
この花からもバラの花のいい香りが漂ってきました。
マルハナバチの仲間たちも花粉や蜜さがしに大忙しです。


【咲いていた花】見頃は〇、これから見頃は↑、見頃過ぎは↓
ニセアカシア(ハリエンジュ)↑~↓、フジ〇~↓、アズマイバラ↑、ニシキウツギ〇、マルバウツギ〇、
ヤマブキ↓、ヤブデマリ〇、ジャケツイバラ↑、ホオノキ↑、オニグルミ↓、ヤマツツジ、ヤブウツギ〇、
ミツバウツギ↓、ノイバラ〇、コゴメウツギ〇 など

【確認できた鳥】
ツツドリ、イカル、カワラヒワ、イワツバメ、ウグイス、オオルリ、キビタキ、アオゲラ、クロツグミ、
ガビチョウ、ホオジロ、ヤマガラ、キセキレイ、ホトトギス など

【その他】
シマヘビ、
アオオサムシ、オオスズメバチ、クマバチ、マルハナバチ類、クロアゲハ?、ウスバシロチョウ など

2013年5月12日日曜日

【ガイドウォーク】初夏の生きものとの出会い

毎月第2日日曜日にボランティアグループ「グループむしくさ」の方々により
ガイドウォークを開催しています。


朝まで小雨が降っていましたが、ガイドウォークを開催する際はいつもお天気に恵まれます。
参加者の皆様が続々と集まるころにはすっかりいいお天気になっていました!
担当してくださる「グループむしくさ」の足立先生が晴れ男なのでは!?と評判になっています。

ウンモンスズメ
開始前に、早速参加者の女の子がみつけてくれました♪
みんな観察眼があります。
 
 

これなんでしょう?
枝につくまだ固い小さな実、ウワミズザクラの実です。
ひと月前にはお花が咲いていました。
 

~観察した主なもの~

【植物】見頃は〇、蕾は△
ヤブヘビイチゴ、ヤブウツギ〇、ウツギ△、ミヤマキケマン、キランソウ、オオジシバリ、フジ、
シロダモの若芽、ネムノキ芽生え、ツボスミレ

【虫】
オオセンチコガネ、マツモムシ、アメンボ、オオアメンボ、コクワガタ、ナナフシ、
ウンモンスズメ、ツマキチョウ

【鳥】
ウグイス、ツミ、カワラヒワ、トビ、イワツバメ

【その他】
アオダイショウ、ヤマビル

来月はどんな生きものと出会えるでしょうか?
是非ご参加ください!

玄倉林道の自然情報  5月10日

ポカポカと散策にはちょうどいい陽気です。
林道を歩く人とあいさつを交わしながら、情報収集をしてきました。

ヤマツツジ
林道の入口からゲート付近で見頃を迎えていました。
 
マルバウツギ
林道入り口付近で咲き始めました。
 
マルバアオダモ
玄倉川渓谷沿いの山肌を白く縁どっていました。
 
シコクハタザオ
林道沿いのあちこちで見頃でした。
 
ツルキンバイ
白い花が多い中、黄色い花が目をひきます。
 
 
【咲いていた花】見頃は〇、蕾は△、これから見頃は↑、見頃過ぎは↓
オニタビラコ、ヒメウツギ、ミズキ↑、フジ〇、ヤマツツジ〇~↑、ガクウツシ↑、
オオツクバネウツギ、ツルカノコソウ〇、ヒトツバテンナンショウ、クワガタソウ、
マルバアオダモ、シバリ、シコクハタザオ〇、コバノガマズミ、ツルキンバイ、
ムラサキケマン↓、ツルシロカネソウ、アイズシモツケ↑、ハナイカダ↑ など

【確認できた鳥】
オオルリ、センダイムシクイ、メジロ、カケス、ヤマガラ、ジュウイチ、ミソサザイ など

【その他】
カジカガエル、アオダイショウ など

2013年5月9日木曜日

ツツジ情報:大滝橋~畦ヶ丸~西丹沢自然教室 5月8日

毎年問い合わせの多いツツジの開花情報をお伝えします。

ヤマツツジ
大滝橋や西沢出合付近では見頃ですが、それより上では蕾の株がほとんどでした。
ミツバツツジ
標高1000メートル以下ではほぼ散っています。
それより上部では見頃の株や、まだ蕾の株もありました。
トウゴクミツバツツジとの見分け方は、
ミツバツツジはおしべが5本なのに対してトウゴクミツバツツジはおしべが10本あります。
また、葉柄がミツバツツジはしっかりとあるのがわかるのに対して、
トウゴクミツバツツジはないように見えます。
標高1000メートル前後では両種ともあるので、見分けるのに一苦労します。

トウゴクミツバツツジ
観察した限り、全て蕾でした。
花芽がついていない株もありました。
ゴヨウツツジ(シロヤシオ)
まだ開花していませんでした。
こちらは花芽がついている株ですが・・・
まったく花芽のついていない株もありました。
花付きは全体的にはいいとは言えませんが、開花が楽しみですね。

登山情報:大滝橋~畦ヶ丸~西丹沢自然教室  5月8日

ゴールデンウィークが過ぎ、静けさの戻った畦ヶ丸周辺に情報収集に行って来ました!
澄んだ空気、晴れ渡る青空という天候に恵まれ、様々な動植物を確認することが出来ました。

標高800メートル付近からの眺め 新緑が眩しかったです!
 
ツルシロカネソウ 沢沿いを中心に咲いていました。
 
クワガタソウ 沢沿いから標高1000メートルまで見頃でした。
 
ツルキンバイ こちらも沢沿いから尾根沿いで見ごろを迎えていました。
 
【咲いていた花】見頃は〇、蕾は△、これから見頃は↑、見頃過ぎは↓
ヤマツツジ〇~△、ヒメウツギ〇、ガクウツギ↑、ヤマブキ、ホソバテンナンショウ、タチツボスミレ↓、
オニタビラコ△、ヘビイチゴ、カキドオシ、ヒトツバテンナンショウ(クロハシテンナンショウ)、
ツボスミレ、キランソウ、タチキランソウ、ミヤマシキミ、ムラサキケマン↓、フジ↑、カタバミ、
マルバアオダモ、ホウチャクソウ、アケビ↓、ミツバウツギ↑、クワガタソウ↑~〇、ツルカノコソウ、
ケマルバスミレ、チドリノキ、オトコヨウゾメ、ヤマウツボ↓、ブナ↓、ミズナラ、ツルキンバイ〇、
マルバコンロンソウ↓、ヤマザクラ、アセビ、ミツバツツジ〇~↓、ワチガイソウ、スノキ、
シコクハタザオ、クルマムグラ など

*ツツジ情報は別の投稿で詳しくお知らせします!

オオルリ
沢沿いから山頂付近まで、鳴き声や姿を確認することが出来ました。
 
【確認できた鳥】
オオルリ、ヒヨドリ、ウグイス、アオゲラ、クロツグミ、カワガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒガラ、
コゲラ、センダイムシクイ、ツツドリ、カケス、コルリ、ジュウイチ、アカゲラ、イカル、アオバト など

カナヘビ 私たちが通り過ぎてもじーっとしていました。
 
ビロウドツリアブ 
春にしか出会えない生きものです。
丹沢湖周辺ではもう見られなくなりましたが、
登山道を歩いていて幾度も遭遇しました。
山頂にもいましたよ。

【その他の生きもの】
タゴガエル声、カナヘビ、
オトシブミ類の揺籃、ビロウドツリアブ、ハエ・アブ・ハチ類、アカタテハ、キタテハ など

山頂付近は芽吹いたばかりのようでした。

【登山道情報】
・沢沿いの登山道は路肩が崩れやすいので注意が必要です。
・大滝橋からステタロー沢を過ぎ大滝峠に上がる箇所が崩落しています。
・沢を渡渉する箇所は登山道を見失いやすいので注意してください。

登山道迂回箇所
ステタロー沢から大滝峠に上がる登山道が崩れた箇所に
自然環境保全センターの方が迂回路を作ってくれました。
 
沢沿いは路肩が崩れて狭くなっている箇所がところどころにあります。