2013年8月30日金曜日

スズメバチのエサ   8月30日

近所の子が「玄倉大橋のたもとの木にたくさんハチが集まっているよ」と教えてくれました。
見に行ってみると、エノキの木のまわりを確かにスズメバチが飛びかっています。
なぜエノキの木に集まってきたのでしょう?
不思議に思ってしばらく観察してみると・・・

どうやらエノキの木の実を食べに来ているようでした。

キイロスズメバチがエノキの木の実をお食事中
 
拡大してみると

かじりついているのが分かりますか?
 
そして地面をよく見ると、食べかすがたくさん落ちていました!
 
中には、おこぼれを食べているハチもいました。
 
スズメバチの成虫が木の実を食べるとは意外でした。
近所の子の一言をきっかけに思いがけない発見が出来ました。

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さて、ハチは刺されるとアレルギー反応からショック症状を起こして死に至ることもある注意すべき生きものです。
しかし、むやみに怖がる必要はありません。
お食事中やエサを探している時などはこちらが邪魔をしない限り、刺してくることはありません。

危ないのはハチの巣に近づいたときです。
今年は今まで台風が来ていなかったので、嵐が来ると吹き飛ばされそうな橋の下に巣を作っているケースもあります。
今年はスズメバチをよく見かけるので、注意することに越したことはありません。

*ハチを刺激しない。
*ハチの巣に近づかない。
*なるべく長袖・長ズボンを着て肌を露出しない。
*香水やジュースの匂いに寄ってくるので香りに気を付ける。
*黒っぽい服は警戒されるので、白い服を着る。
等の注意をしてください。

万が一刺されてしまったら、
*毒液を水で絞り出すように洗い流す。(水道水がベスト)
*抗ヒスタミン軟膏などを塗る。(塗ってもよい体質かどうか要確認)
*患部を冷やす。
*病院に行く。

これから9月にかけて、ハチが活発になる時期なのでご注意ください。

2013年8月25日日曜日

来館者から頂いた自然情報

野鳥観察にいらした方から情報と写真をご提供いただきました。
小雨の降る中でもいろいろな鳥に出会えたようです。

ヤマガラ
エゴノキの実をくわえています。固い殻をくちばしでたたく様子も観察できたそうです。
 
ミサゴ
お腹の白が目立っていますね。
 
【確認できた鳥】
キジバト、ツバメ、アオサギ、ヤマガラ、カルガモ、キセキレイ、ハシブトガラス、ヒヨドリ、メジロ、
カケス、アオゲラ、カワラヒワ、トビ、セグロセキレイ、スズメ、シジュウカラ、ミサゴ、シロチドリ
声のみ:コゲラ、ガビチョウ、コジュケイ、ホオジロ

【他】
ニホンジカ♀、モリアオガエル?の子ガエル

情報ありがとうございました!

2013年8月22日木曜日

丹沢湖の自然情報

湿度が高くムシムシと暑い中、丹沢湖周辺の自然情報収集に行って来ました。

クズの花と蕾
何かのしっぽのように見えてきます。
 
センニンソウ
花のあとにできる実に白い毛を仙人のヒゲに見立てた名前だそうです。
 
イチモンジチョウ
翅が少し欠けていますが活発に飛んでいました。
 
ノコンギク
少しずつ秋の花も咲き始めました。
 

【咲いていた花】
コボタンヅル、クズ、ヘクソカズラ、オニドコロ、タマアジサイ、センニンソウ、
ヤマノイモ、コマツナギ、クサギ、キツネノマゴ、クルマバナ、オトコエシ、
ノコンギク、ミズヒキ、イヌトウバナ など

【確認できた鳥】
ヒヨドリ、コジュケイ、キジバト など

【その他】
ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、アブラゼミ、ウラギンシジミ、イチモンジチョウ など

朝晩は涼しい風が吹くようになりました。
秋の気配を感じて散策してみてはいかがでしょうか。

2013年8月18日日曜日

玄倉林道の自然情報 8月18日

お盆休みの最終日、玄倉林道や玄倉川は多くの人でにぎわっていました。
そんな中、自然情報収集に行って来ました。

エメラルドグリーンに輝く水面
玄倉第2発電所付近です。水量はたいへん少ないですが、澄んだ水は変わらないですね。
 
渓流を彩るタマアジサイと水しぶきをあげて落ちる滝
玄倉林道はいくつもの谷が横切っています。
歩いているとこんな涼しげな光景を見ることもできます。
 
ハナゼキショウ
石灰岩質を好むようで、人工的に岩壁を覆ったモルタルに生育していまた。
 
シラヒゲソウ
咲き始めていました。花も葉っぱも個性的です。
 
どこにいるかわかりますか?
カジカガエルの子ガエルです。
この時期、変態を終えた子ガエルが次々に上陸しています。
 
↓↓ヘビが苦手な方、ごめんなさい。↓↓
 
ジムグリ
地中の穴などに潜る習性をもっているのが名前の由来です。
地中のネズミやモグラなどの小動物が好物のようですが、性格はおとなしいようです。

【咲いていた花】
タマアジサイ、タテヤマギク、シロヨメナ、ヤハズハハコ、ミズヒキ、オヤマボクチ、
クロテンコオトギリ、ゲンノショウコ、ヘクソカズラ、マツカゼソウ、ヌスビトハギ、
イワギボウシ、ハナゼキショウ、シラヒゲソウ、コボタンヅル など

【確認できた鳥】
コゲラ、キセキレイ、ミソサザイ など

【その他】
カジカガエル子ガエル、ジムグリ など

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最後にビジターセンターからのお願いです。
夏の間、たくさんの方が玄倉川で川遊びや沢登りを楽しんでいらっしゃいます。
丹沢の自然に触れ、丹沢の自然を楽しんで頂くのは、とても良いことだと思います。
しかし、禁止されているところに路上駐車をしている車や、たくさんの捨てられたゴミが大変多く、憂慮しています。

路上駐車は、玄倉林道と分岐する仲ノ沢林道の入口をふさぐように停めている車もありました。
一般車は通行出来ない状況ですが、ケガ人や遭難者が出た時などに緊急車両は通行します。
緊急車両が通れない場合、生死に関わる事態を招くかもしれないことをご理解ください。

そしてどうか、「ゴミはすべて持ち帰る」ということを徹底してください。
空き缶や空き瓶は分解できないのはもちろんですが、
食品を包んでいたプラスチックゴミなどを野生動物が食べて死に至る可能性もあります。
また、生ゴミの味をしめた野生動物が人里に近づき、人間との軋轢を生む可能性もあります。
ここに暮らす野生動物に配慮するだけでなく、丹沢湖の上流「玄倉川」は神奈川県民の水源地であるということも忘れないでください。

2013年8月17日土曜日

登山情報:ツツジ新道~檜洞丸  8月14日

報告が遅くなりましたが、14日に檜洞丸に情報収集に行って来ました!

日差しは強かったものの、木陰の中ではやんわりと風も吹き、登山を後押ししてくれました。
でも油断して塩分・水分補給をしないと熱中症になってしまいます。
夏の登山は要注意です。

木道
標高1400m付近から山頂にかけてはマルバダケブキのお花畑が出迎えてくれました。
 
マルバダケブキのお花畑
黒い棒のようなものは、オオバイケイソウの咲いた後です。
 
マルバダケブキの花を訪花するトラマルハナバチ
マルハナバチたちが忙しそうに活動していました。
 
山頂直下
檜洞丸山頂付近はブナの衰退が著しい場所です。
土壌の乾燥化や大気汚染、ブナハバチ幼虫による葉の採食など、
様々な要因でブナが衰退し、立ち枯れしています。
 
ブナなどに着生するイワギボウシ
沢沿いの岩にも着きますが、
丹沢の山の上ではブナなどの大木に着生しているのをよく見かけます。
それだけ空中湿度が高いということでしょう。
しかし、この夏は山にまとまった雨が降っていないので心配です。
イワギボウシはちょうど花が咲き始めて見ごたえがありました。
 
黄と黒のヨコ縞模様、アカウシアブ
スズメバチに擬態しています。飛び方や羽音もそっくり!
ベンチに残った人の汗?を吸っているようでした。
 
コエゾゼミと思われるセミを捕まえたヤマガラ
セミがジーーーッ♪と鳴きながら抵抗していました。
ヤマガラは捕まえたものの持て余しているようで、セミの声がしばらく鳴き止みませんでした。
 
【咲いていた花】
タニタデ、シロヨメナ、ミヤマヤブタバコ、タマアジサイ、コロテンコオトギリ、タテヤマギク、
クワガタソウ、イヌトウバナ、ミヤマタニタデ、シモツケソウ、マルバダケブキ、イワギボウシ、
リョウブ、ヤマトリカブト、マツノハマンネングサ、ダイコンソウ、ヤマオダマキ、アカバナ など

【確認できた鳥】
ソウシチョウ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、コガラ、ルリビタキ、カケス、ウグイス、
オオアカゲラ、トビ、イワツバメ、トラツグミ、アオバト、アオゲラ、イカル など


【その他】
ミンミンゼミ(声)、ツクツクボウシ(声)、コエゾゼミ(声・ヤマガラに捕食される)、オトシブミ揺籃、
アカウシアブ、トラマルハナバチ、オオマルハナバチ、オオセンチコガネ、イチモンジセセリ、
ヒロバネヒナバッタ、アキアカネ、ミヤマカラスアゲハ、キアゲハ、ニワハンミョウ、
オニクワガタ?♀、タゴガエル?子ガエル(目視) など

お花畑や生き物を観察するには山頂付近がおすすめです。
しかし、お盆が明けても暑さは続くようですので、暑さ対策を万全にして登山を楽しんでください。

2013年8月16日金曜日

シオカラトンボ・オオシオカラトンボ

夏、窓を開けているとよくトンボが館内に入ってきます。
今日は特に頻繁に入ってきたので
「あっ!トンボがいる!」や「こっちにもいる!」といった声が聞かれました。
館内の図書コーナーでトンボの種類を調べていった男の子もいました。

丹沢湖ビジターセンター周辺では
オオシオカラトンボ、ヤブヤンマ、タカネトンボを見かけることが多いです。
オニヤンマは数は多くないですが時々見かけます。

今日はシオカラトンボも見ることができました。
シオカラトンボ
オスの腹は水色で先端は黒く、目も水色をしています。
 
 

オオシオカラトンボ
体の色はシオカラトンボに似ていますが、翅の付け根と目が黒いです。
 
 
館内で昆虫観察ができるとちょっと得した気分になれます。
自然いっぱいの丹沢湖、夏休みのお出かけにいかがですか。

2013年8月15日木曜日

【参加者募集中!】 自然教室「丹沢 命のつながり探偵団」


9月1日(日)に開催する親子自然教室「丹沢 命のつながり探偵団」の
お申し込み締切を延長しました!


植物も昆虫も菌類も鳥も、そして人間も、みんなつながりあって生きている。
そんな命のつながりを体感する行事です♪

夏の終わりに、親子でつながりあう命について考えてみませんか?

ご応募お待ちしています!
お問い合せは丹沢湖ビジターセンターまでお気軽にどうぞ!

2013年8月13日火曜日

モモスズメの成虫  8月13日


8月11日のガイドウォークの様子をお伝えした時にご紹介したモモスズメ。
こんな感じの幼虫です↓

モモスズメの幼虫

今日もいました!
桃はバラ科ですが、同じバラ科のヤマブキの枝にいました。
 
そして、成虫にも出会うことが来ました!
モモスズメの成虫
 
モモスズメの名前の由来は、幼虫がモモを食草にしているからだとも、
成虫の後翅が桃色を帯びているからだとも言われています。
どちらも当てはまりそうですね。
 
夏はたくさんの生き物に出会える季節。
是非、探してみてください。

2013年8月11日日曜日

【ガイドウォーク】真夏の林道の生き物 8月11日

毎月第2日日曜日はガイドウォークの開催日です!
ボランティアグループ「グループむしくさ」の方々の案内で、無料の観察会を行っています。


太陽がジリジリと照りつけてはいましたが、
木陰のある玄倉林道は過ごしやすく色々な生き物に出会えたようです。
暑さに負けず11名の方にご参加頂きました。有り難うございました!
「グループむしくさ」の足立先生と参加者のWさんからお写真を頂きましたので、ご紹介します♪

夏といえばセミ、今、丹沢湖周辺では色々な種類のセミの鳴き声が聞こえます。
アブラゼミの抜け殻も発見しました!

アブラゼミの抜け殻をルーペで見ると・・・
 
うわっ!大迫力!

林道脇の草むらには様々な昆虫がひそんでいます。

カメムシがクズの茎に口を差し込んで汁を吸っていました!
 
葉の上でやすむキマダラセセリ
 
モモが大好き?モモスズメの幼虫
 
頭をそらして威嚇中?フクラスズメの幼虫

~観察した主なもの~

【植物】
ヤマブキ、タマアジサイ、クズ、コアカソ、ベニバナボロギク、ハダカホオズキ、
ヤブミョウガ、ヒヨドリジョゴ、ツバキ、ハナタデ、キツネノボタン、コボタンズル、
イヌホオズキ、ヨウシュヤマゴボウ、ヘクソカズラ、オニドコロ、アズマヤマアザミ、
ミゾホオズキ、ヤマノイモ、シモバシラ など

【虫】
アブラゼミ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミ、ヘビトンボ、キマダラセセリ、
アオスジアゲハ、ラミーカミキリ、キタキチョウ、ヤマトシリアゲ、ミヤマカラスアゲハ、
モモスズメ、フクラスズメ、スジグロシロチョウ、オオシオカラトンボ など

【鳥】
トビ、ハイタカ、ツバメ、メジロ など

【その他】
ギンメッキグモ、オオシロカネグモ、ジョロウグモ

初めての方でも気軽に参加することが出来ます。
来月も是非ご参加ください!

2013年8月9日金曜日

登山情報:用木沢出合~白石峠~加入道山  8月8日

8月に入ってからまとまった雨が降らない中、
西丹沢自然教室と合同で自然・登山道情報収集に行って来ました。
白石の滝 水量は少なかったです。
 
木道脇の水量はどうでしょう?
わずかに水がしみ出している程度でした。
 
以前同じ場所で撮影した写真(逆方向からで申し訳ありません)
木道の脇を水が流れています。
 
夏の花や木の実などが観察できました。
 
タンザワイケマ
 
ギンバイソウ
 
ヒメコウゾの実
 
カケスの声がよく聞こえると思っていたらカケスの羽が落ちているのを見つけました。
綺麗なブルーですね。
 
【咲いていた花】
コボタンヅル、タマアジサイ、マツカゼソウ、クワガタソウ、ウバユリ、ダイコンソウ、タンザワイケマ、
ギンバイソウ、ノリウツギ、リョウブ など

【確認できた鳥】
カケス、ヒヨドリ、コゲラ、ソウシチョウ、アオバト、ウグイス、カワガラス、ヤマガラ など

沢沿いは石がゴロゴロしています。下りは慎重にお願いします。
土が流されて丸太の階段が崩れそうな所があります。ご注意ください。

2013年8月7日水曜日

丹沢湖の自然情報   8月6日

丹沢湖周辺の自然情報です。
周辺の山は濃い緑に覆われていますが、その中に咲いている花を見つけると心が和みます。
丹沢湖の様子
三保ダム(丹沢湖)が作られる以前の川の流れ方のイメージが湧いてきます。
 
アキノタムラソウ
 
 
クサギ
丹沢湖の西側、世附の道路沿いにまとまって生えている所があります。
この花にはチョウもよくやってきます。
 
タマアジサイ
 
タワシみたい? アカメガシワの実です。
熟すと中から黒い種が現れます。
 
まだまだ夏まっさかりですが、丹沢湖では朝晩は少し涼しさも感じられますよ。

2013年8月4日日曜日

地学教室「丹沢の生いたち さぐり隊」実施しました! 8月3日

丹沢のはじまりは海底火山だった!!
その証拠となる岩石を観察し、岩石標本図鑑を作るというイベントを開催しました♪

講師は、丹沢地学研究の第一人者 門田真人先生
神奈川県内外で、調査研究そして、それを広めるための活動をなさっています。
 
今回は残念ながら参加者が少なめでしたが、
スペシャル講師とベテランの助っ人3名の方の熱のこもったご指導により、
参加者の皆さんにとっては贅沢な体験が出来たのではないかと思います。

午前中は、海底火山だった証拠「枕状溶岩」を観察
 
午後は、ガーネットを含んだ流紋岩などを観察

ビジターセンターにもどって岩石標本図鑑づくり
 
参加者したほとんどの方が100点満点をつける充実した行事となりました。
詳しくは、後日「行事案内」のページに報告をアップします♪